愛について

「前に話した友達以上に仲良くなりたいって話、考えとくっていってたけど、どうですか」

 

「ないです」

 

そんな会話があった帰り道、ラーメンを3人前くらい食べて、伸びきって腰のなくなった麺に自分を重ねて、半額になったおはぎを買って家に帰りました。

 

帰って別の友人にそのことをLINEしたら「その人が別の男の人のものになったら?」と聞かれて、自然に出た返信は「それがその人の幸せなら、僕は応援します」でした。

そう返信してすぐに、自分の感情はそんなものだったのかとも思いました。

 

「応援します」なんて当事者を回避した都合のいい言葉で、本当に愛してるなら「別れればいいのに」と思うのが人間という生き物だと僕は思います。

 

もうすぐ迎える33歳は、もう独身をネタにも出来ない年齢だと思ってて、ベルの鳴り響く駅のホームで僕は情けないほど駆け足になってたのかもしれません。

 

発車する電車を見送って、「さあどうするか」とベンチに腰を降ろして、静かに目を閉じたのが昨日の夜の話です。

 

それでも地球は回り続けるので、もちろん生きるしか選択肢はないわけですが、「半額で売られるくらいなら、捨てられても、燃え尽きるまでおはぎとして生き続けた方がいいのかな」と一晩明けて固くなったおはぎに話しかけても、何も返事はありませんでした。

 

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